まず、ペダルに足を乗せた状態で電源を入れない。さらに、急にペダルを踏まないことも大切です。
気をつけるポイント
- 思いがけない加速による事故を起こさないよう「正しい乗り方」をする
- BAAやSGなどのマークを確認し、安全基準に達した製品を選ぶ
- 両足を地面に着けて電源を入れ、「ケンケン乗り」などの危険運転をしない
電動アシスト自転車の特徴とは?
電動アシスト自転車は電気モーターを利用しており、ペダルを弱い力でこいでも走行できるのが特徴です。上り坂でも楽にこげるため、幼児の送り迎えや買い物に利用する女性、あるいは高齢者が移動するときなどでも大変便利に使われています。
また、最近では集配車や営業車として企業や自治体でも利用されている他、観光地でレンタルサイクルとして貸し出されることもあり、街中で見かける機会が増えています。
電動アシスト自転車は、道路交通法上では自転車同様に軽車両に位置付けられています。
時速10km未満で人力の2倍ほどの電動アシスト力で補助しますが、速度が上がると徐々にアシスト力が弱まり、時速24km以上では補助がなくなります。
道路交通法の基準に適合しない製品も販売されることがあるので、BAAマークやSGマーク、JISマークなどを確認して安全基準に達した製品を選びましょう。
電動アシスト自転車の交通事故は増加傾向にあります。兵庫県警察本部の調べによると、2017年10月末までに兵庫県内で発生した自転車側の過失割合が高い交通事故は1752件で、このうち86件が電動アシスト自転車による事故でした。
2010年は3085件中56件、2016年は2022件中73件ですから、電動アシスト自転車による事故の割合が増えていることが分かります。
事故の事例はさまざまですが、転倒事故のほか、交差点や横断歩道付近からの飛び出し事故の報告もあります。電動アシスト自転車はペダルに足を乗せているだけでもアシスト力が働き、意図せずに走り出してしまうことがあるからです。
正しい乗り方のポイントとは?
電動アシスト自転車を安全に利用するために、ここでは乗り方のポイントを解説します。
まず、ペダルに足を乗せた状態で電源を入れるのは危険です。発進時は両足を地面に着けて電源を入れましょう。ペダルに足を乗せたまま電源を入れると、ペダルの踏み込みを感知してモーターが駆動し、自転車が飛び出すことがあるからです。
また急にペダルを踏み込むと、アシスト力が加わり予想以上の速度が出やすいため、止まるまでに時間がかかることも事故の要因と考えられます。
自転車にまたがらずに片足で地面を「ケンケン」と何度か蹴って自転車を発進させる、いわゆる「ケンケン乗り」も大変危険です。この乗り方は自転車にまたがってペダルをこぎ始めるまでにふらつきやすいだけでなく、不安定な状態で加速してしまうため転倒の恐れがあります。
また、坂道を走るときの「立ちこぎ」も危険です。立ち上がって片方のペダルに荷重がかかると、バランスを崩しやすくなります。
電動アシスト自転車は速度が上がるほどアシスト力が弱まってしまうので、上り坂は座ったまま、ゆっくりとペダルを踏むよう走るのがポイントです。
取扱説明書をよく読み、注意事項や禁止事項を理解してから利用しましょう。また、電動アシスト自転車の特徴を理解するためにも、安全な場所で練習することも大切です。自転車メーカーが開催している講習会やイベントを利用して、正しい乗り方を経験するのもよいでしょう。
JAF(日本自動車連盟)のページより引用しました。